リンクアグリケーションとは
- 2019.06.01
- ネットワーク
- ネットワーク高可用性

リンクアグリケーションの概要
リンクアグリケーション(LAG/Link Aggregation Group)とは,複数の接続線を論理的にまとめて一つの接続線として扱うことで,帯域幅や耐障害性の向上を図る技術です.
スイッチ同士を1本のリンクのみで接続した場合,そのリンクが単一障害点となってしまいます.別のリンクを接続しておくことも可能ですが,通常はSTPなどのループ防止機能によって通信がブロックされてしまいます.

リンクアグリゲーションは隣接する装置同士を論理的に1つのリンクとみなした複数のリンクで接続することが可能です.これにより,装置間の通信帯域が複数リンク分に増加するので,ネットワークのパフォーマンスが増加します.ギガビットイーサネットを10ギガビットイーサネットに増速すると,パフォーマンスが過剰で投資に見合わない場合などに選択されます.また,装置間のリンクのいずれかに障害が発生した場合でも,残りのリンクを使って帯域速度を落としながらも通信を継続させることができます.

ルーターやスイッチでリンクアグリゲーションを実装するプロトコルはIEEE802.3adで規格化されているLACP(Link Aggrication Controll Protocol)があります.LACPによってグループ化できるリンクにはいくつかの注意点があります.また,対向のデバイスも同様にリンクをグループ化している必要があります.
- リンクは全て同じ速度でなければならない.
- 全てのリンクは全二重通信に対応していなければならない.
- 全てのリンクでVLAN番号が一致していなければならない.
リンク内での負荷分散
LAGでは複数のリンクを1つのグループにまとめていますが,特定のリンクのみに偏らないようにイーサネットフレームの情報からハッシュ計算を行い負荷分散します.ハッシュ計算にイーサネットフレームのどの情報を使用するかはベンダーや設定によります.使用される情報は,送信元MACアドレス,宛先MACアドレス,送信元IPアドレス,宛先IPアドレス,TCP/UDPのポート番号です.
多くの通信は双方向なので,1台のサーバーとの通信に集中する場合などを考慮し,複数の情報を使うことでうまく負荷分散できます.TCP/UDPのポート番号など上位レイヤの情報を使うとより効率的に振り分けられます.
LAGの設定
LACPを有効にするための設定をします.device-countオプションには利用するLAGインターフェースの数を指定します.LAGインタフェースのデバイスごとの最大数やインタフェースごとの最大数はモデルによって変わります.
set chasssis aggregated-devices ethernet device-count [COUNTS]
LAGインタフェースはaeという論理インタフェース名で識別されます.links-speedオプションでLAGインタフェースの速度を指定します.
set interfaces ae0 aggregated-ether-options link-speed [SPEED]
LAGインタフェースのメンバーとなるインタフェースを指定します.802.3adオプションで参加するLAGインタフェース名を指定します.
set interfaces ge-0/0/0 ether-options 802.3ad ae0 set interfaces ge-0/0/0 ether-options 802.3ad ae0
LAGインタフェースのIPアドレス設定などを行います.
set interfaces ae0 unit 0 family inet address [ADDRESS]
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