ルーティングインスタンス

ルーティングインスタンス

ルーティングインスタンスとは

JUNOSでは,ルーティングテーブル,インタフェース,ルーティングプロトコルのパラメーターを論理的にグルーピングしたルーティングインスタンスと呼ばれるオブジェクトを使用します.1つのデバイス内で複数のルーティングインスタンスを定義することで,擬似的に複数のデバイスを稼働できます.それぞれのルーティングインスタンスで,グルーピングされた情報は分離されています.

JUNOSでは,標準でmasterルーティングインスタンスと呼ばれるインスタンスを稼働します.標準ではinet.0ルーティングとinet6.0ルーティングテーブルを含んでいます.

juniper@router> show route instance
Instance             Type
         Primary RIB                                     Active/holddown/hidden
master               forwarding
         inet.0                                          3/0/0
         inet6.0                                         1/0/0
__juniper_private1__ forwarding
         __juniper_private1__.inet.0                     5/0/0
         __juniper_private1__.inet6.0                    3/0/0
__juniper_private2__ forwarding
         __juniper_private2__.inet.0                     0/0/1
__juniper_private4__ forwarding
__master.anon__      forwarding
mgmt_junos           forwarding

ユーザーによってルーティングテーブルを定義することも可能です.ルーティングインスタンスにはいくつかの種類があり,それぞれ以下のように利用されます.

インスタンス種類説明
forwarding一般的なアクセス層アプリケーションのためのフィルターベース転送実装に使用される.
l2vpnL2VPNの実装に使用される.
no-forwarding大規模ネットワークをより規模の小さい管理単位に分割する.
vplsVPN内のサイト間でP2マルチPーLANの実装に使用される.
virtual-routerシステム仮想化など,非VPN関連アプリケーションに使用される.
vrfL3VPNの実装に使用される.

ルーティングインスタンスの実装は次のように設定します.ルーティングインスタンス内ではインスタンスタイプやインタフェース,プロトコルを設定します.

juniper@router> show configuration routing-instances | display set
set routing-instances NEW-INSTANCE instance-type virtual-router
set routing-instances NEW-INSTANCE interface ge-0/0/0.0
set routing-instances NEW-INSTANCE routing-options static route 192.168.200.0/24 next-hop 192.168.180.1
set routing-instances NEW-INSTANCE protocols ospf area 0.0.0.0 interface ge-0/0/0.0

ルーティングインスタンスごとのルーティングテーブルは以下のように確認します.[INSTANCE-NAME].inet.0のように,インスタンス名をルーティングテーブルの前に指定します.

juniper@router> show route table NEW-INSTANCE.inet.0
NEW-INSTANCE.inet.0: 4 destinations, 4 routes (4 active, 0 holddown, 0 hidden)
+ = Active Route, - = Last Active, * = Both
192.168.180.0/24   *[Direct/0] 00:00:04
                    > via ge-0/0/0.0
192.168.180.2/32   *[Local/0] 00:00:04
                      Local via ge-0/0/0.0
192.168.200.0/24   *[Static/5] 00:00:04
                    > to 192.168.180.1 via ge-0/0/0.0
224.0.0.5/32       *[OSPF/10] 00:07:22, metric 1
                      MultiRecv

インタフェースの情報もルーティングインスタンスを最後に指定して確認できます.pingやtracerouteでも同様にrouting-instanceオプションを指定することでインスタンスの情報でコマンドを実行できます.指定しない通常の場合はmasterルーティングインスタンスの情報を使用しているということになります.

juniper@router> show interfaces terse routing-instance NEW-INSTANCE
Interface               Admin Link Proto    Local                 Remote
ge-0/0/0.0              up    up   inet     192.168.180.2/24
                                   multiservice