バーチャルシャーシ

バーチャルシャーシ

バーチャルシャーシの概要

バーチャルシャーシ(VC:Virtual Chassis)はJuniperスイッチの筐体冗長機能の一つです.VCは専用のバーチャルシャーシポート(VCP)を使ってスイッチ筐体を接続して構成します.VCPはx/y/zという番号が割り当てられます.xはメンバーID,yはPIC ID,zはポートIDになります.

VCのロール

マスターロール(RE)

アクティブなルーティングエンジンとして動作するスイッチです.バーチャルシャーシを構成するすべてのメンバースイッチを管理します.シャーシ管理プロセスやネットワーク制御プロトコルを実行します.バーチャルシャーシ構成全体のマスターコピーを保持します.

バックアップロール(BK)

バーチャルシャーシ構成でバックアップとして機能するメンバースイッチです.ルーティングエンジンのバックアップとして動作します.マスタースイッチの障害に備えてマスタースイッチと情報を同期します.これにより最小限の中断でネットワークの接続性を維持できます.

ラインカードロール(LC)

インタフェースやケーブルなどの接続エラー状態を検出し,マスタースイッチに伝えます.マスタースイッチから伝えられた転送情報をローカルのPFEにプログラムします.

ラインカードロールのスイッチはネットワーク制御プロトコルは実行しません.マスターかバックアップのスイッチが障害になった場合は,いずれかのラインカードスイッチがロールを引き継ぎます.

マスターロールの選出

マスターロールは事前にロールを明示しておくことでマスターシップ優先度が割り当てられます.マスターロールになると129のマスターシップ優先度が割り当てられます.ラインカードスイッチにはマスターシップ優先度0が割り当てられ,マスターとして選出されなくなります.そのほかロールが明示されていないスイッチは優先度が128になります.

ロールを指定する場合は次のようになります.

set member 0 serial-number abc123 role routing-engine
set member 1 serial-number def456 role line-card

メンバーシップ優先度を明治する場合は次のようになります.

set member 0 mastership-priority 250
set member 1 mastership-priority 200

アップリンクポートをVCPに設定

VCPにはアップリンクモジュールポートを使用することもできます.このような構成はVCEP(Virtual Chassis Extension Port)構成と呼びます.
以下のコマンドでポートの46と47をVCPに設定します.

request virtual-chassis vc-port set pic-slot 0 46 member 0
request virtual-chassis vc-port set pic-slot 0 47 member 0

VCメンバー間の同期

マスタースイッチでの設定変更時,他のスイッチへ変更が同期されるように次のようにコミット時にオプションを指定します.

commit synchronize

次の設定を入れておくことで自動的に他のスイッチへ同期するように設定できます.

set system commit synchronize

VCでの管理IPアドレスの割り当て

VC構成では全体のスイッチが1つの論理ネットワークデバイスとして管理されます.そのため,割り当てられる管理IPは一つです.

VCではVMEインタフェースで管理IPを設定します.個々の管理イーサネット(ME0)ではなく,VMEインタフェースでの管理が推奨されています.

VCの状態確認

VCの状態を確認するには次のコマンドを使用します.VCを構成しているメンバースイッチとそのロールなどが確認できます.

juniper@switch> show virtual-chassis status
   Virtual Chassis ID:1234.5678.90ab
                                             Mastership            Neighbor List
   Member ID  Status   Serial No    Model    priority    Role      ID  Interface
   0 (FPC 0)  Prsnt    ABC012345678 ex4200-24p      250  Master*    1  vcp-0
                                                                    1  vcp-1
   1 (FPC 1)  Prsnt    ABC012345679 ex4200-24p      200  Backup     0  vcp-0
                                                                    0  vcp-1
   Member ID for next new member:2 (FPC 2)

また,VCで使用するポートの状態は次のコマンドで確認できます.

juniper@switch> show virtual-chassis vc-port
 fpc0:
 -------------------------------------------------------------------------–
 Interface   Type              Trunk  Status       Speed        Neighbor
 or                             ID                 (mbps)       ID  Interface
 PIC / Port
 vcp-0       Dedicated           1    Up           32000        1   vcp-1
 vcp-1       Dedicated           2    Up           32000        0   vcp-0
 1/0         Auto-Configured     3    Up           1000         2   vcp-255/1/0
 1/0         Auto-Configured     3    Up           1000         2   vcp-255/1/1

VCのマスター選出方法

VCのマスターはメンバースイッチの中から次のように決定されます.

  1. 最も高いメンバーシップ優先度が設定されているものが選ばれる.(優先度0は必ずラインカードロールとなる)
  2. 直近でマスターとして起動していたものが選出される.
  3. 最も長い期間VC構成として起動していたものが選出される.
  4. 最もMACアドレスが小さいものが選出される.

よって,VC構成時の手順は以下のようにすべきです.

  1. マスターとして動作させたいスイッチを起動する.
  2. そのスイッチのメンバーシップ優先度を最高(255)にする.
  3. マスタースイッチから他のスイッチの設定を投入する.
  4. 他のスイッチを起動する.